■8■大三島/大山祇神社
そして大三島に入った。ここはもう愛媛県。実は大三島って島は、僕が子どものころから一度は来てみたいと思ってた場所なんである。親に「夏休みに連れてってくれ~」と何度かせがんた記憶もあるなぁ…。あの頃から20年余りの歳月が流れ、この日ようやく実現する。それも自分の足で。まさに万感の思い…ですな。 そんな憧れの島は、島というよりも山の風景の方が目立つ感じで意外だった。それもそのはず、400m~300mの山々がズラリと並んでいる。はじめは大三島を1周しようと思っていたのだが、予定時刻からかなり遅れていたので、島の北部へと回るルートをキャンセル。島の東西を横断する三村峠を越えて大山祇神社へと向かうことにした。峠、といってもさほどのものでもない。それよりも自転車専用道になってる道に草木が生い茂ってて…。あやうく路上を歩くカブトムシを轢きそうになったよ。 僕が子どものころから大三島に来てみたかった理由が、大山祇神社にある。 当時から歴史好きで、毎日のように「原色日本の美術」の武具・刀剣の巻を眺めてた小学生だった。当時見ていた鎧兜・刀剣がここにあるのだ!ついに…ついに来た!流行りを取り入れてみれば、 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!って感じかな? 境内に入る。樹齢2600年のクスノキとかもあるけど、とりも直さず、宝物館へ。1,000円か、いい値段取りよるな…。ま、20年来の憧れと再会できるのなら安い!中に入る…建物は古くてショボい。何か田舎の高校の図書館みたいだ。…限りなくB級宝物館の雰囲気を漂わせてるのは気のせいだろうか? まずは薙刀の穂先から見せられる。源義経奉納…?静御前奉納…?ほほぅ、ずいぶんとキレイに保存されてるんだなぁ。それもそのはず、次の刀剣ゾーンも同じことが言えるんだけど、ここにある刀剣類はほとんどが「奉納」されたもの。多くは実際の戦闘で使われたことはないだろう。刀剣の類に限れば、やや物足りない印象。たとえば京都の国立博物館にある銘品なら、刃が鍛え上げられていてあたかも「匂い立つような」妖しい輝きを放っている。飾り刀じゃそうはいかない。 しかし、見るべき収蔵物は何といっても鎧兜だろう。 瀬戸内海を主戦場にした源平の諸将、南北朝時代の諸将、戦国期では芸予海峡の河野氏等の豪族、地元の大祝氏などを中心にいわゆる「大鎧」という品々がズラリとラインナップ。源頼朝の鎧なんて、子どものころ作ったプラモそのまんまだ。うひょう! 刀剣類とは違い、結構鉄や皮が腐蝕したり、織り糸の色が褪せたりしてて、そこがそこはかとなく「年代を超えた風格」を感じさせてくれる。大三島町イチオシの「瀬戸内のジャンヌダルク」こと鶴姫の鎧は相当キレイなまま保存されている。まるで作りモノ?と思えるくらいに状態がいい。見事にくびれた女性用の鎧はそりゃあまあ可憐な感じなんだけど…ちょっと怪しくないッスか?当時の女性がこれほどのプロポーションだったとは思えんのだが…。 さてさて、陳列されているじっくり宝物を堪能した。惜しむらくはもう少し「魅せる工夫」をした方がいいけど…。全て同じように陳列ケースに並べるだけじゃなくて、テーマ別の順路とか、照明の使い方とか、補足説明パネルの充実とか…。たぶん20年前の純粋無垢な僕なら大満足なんだろうけど、そんなところばかり気になっちったなぁ…。あ、隣の海事博物館は見なかった方向で…。 ■9■大三島/大三島南部 大山祇神社のすぐそばに、例の鶴姫をモチーフにした鶴姫公園がある。神社から公園まで何体もの「武装した女性・鶴姫」の銅像が立つ。大三島町は鶴姫・大プッシュですな。 その他こんな→ 出店があったり…ネタには事欠かない町です。恐るべし、大三島町。 若干、観光への力の入れ方を間違ってる感もあるけど、大三島は実に静かでいい町。ちょうどお昼時だったからか、町の中心部なのに人ひとり歩いていない。 いよいよ猛暑に拍車がかかる中、島の西側の海沿いを南下。浜辺に出てみようと台(うてな)海水浴場の方に寄り道すると、ドラマ「がんばっていきまっしょい」のロケやってた。ほぅほぅ、暑いのにご苦労な…と思い、ぼんやり見てると、傍らの建物(セット兼待合室?)から赤いジャージの女の子が出てきた。あっ!この子知ってる!相武紗季チャンじゃん!!階段を降りて日傘を開いて浜辺の撮影場所の方に歩いて行った。ごく普通の、ちょっとかわいい女の子って感じだったけど、髪の毛がすんげぇ~キレイだった。さすが芸能人ッスねぇ。 赤いジャージ姿が相武紗季チャン。今度ドラマ見てみます。 その後、島の南部へ。またも喉が渇いてきたので、自販機を探しているとまたしても「コカ・コーラ」。さすがに「アクエリアス」と「はじめ」しか選択肢がないのもつまんないと思い、スルーした。だがこれが裏目に。この後、次の橋を渡り終えるまで水分補給できなかった。酷暑の中、この旅最大の高低差の連続になるとも知らず…。 とりあえずは大三島の南の海岸に出た。正午を過ぎ、いよいよ太陽が高くなってその分だけ海も青くなったように輝いている。なるほど、ここはしまなみサイクリングロードからは外れたルートだが、この景色は遠回りしても見る価値がある。ずーっと右手に海と島を眺めながらゆるやかな登りを進む。ほとんどクルマも通らない。もちろん人も歩いてなければ、人家もない。あるのは左手の山と右手の海ばかり。 ヘビのようにくねくね曲がった道が続く。途中から山肌を登るような勾配になる。沖縄でも体験したんだけど、海沿いの道というのはえてして起伏も多い。大きな登りは2回あったかな?あとで調べると六の坂、五の坂、四の坂…と6つの坂が連続してたみたい。しかし坂の勾配よりもこの暑さと喉の渇きの方が辛かった。ああしまった、こんなことなら3本目の「はじめ」でもよかった…。ずっと右手に次の大三島橋が見えてるのに、どんどん山の中に入っていく。サイクリングロードから外れているため、標識もない。何とか通常橋に入るルートの反対側(山の中)から大三島橋へのアプローチに合流できた。もう渇ききって、死にそうだよ。暑ちいぃぃぃ…。 〈後編につづく〉
by unbridledblue
| 2005-07-24 13:45
| しまなみ海道縦断記
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